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温熱環境とは人が暑さや寒さを感じ取るときの感覚に影響する要因です。例えば、30℃の気温のときに日向と日陰では感じる暑さには違いがあります。また、ムシムシしていて湿度が高い日に比べると、カラッとしている湿度の低い日の方が暑さは緩和されるでしょう。温熱環境は人の熱的感覚と快適感・不快感を合わせた環境要因です。
温熱環境は、環境と人の両方の要因によって変わります。環境側の要因としては温度、湿度、気流、輻射熱(放射熱)が挙げられます。温度は気温のことで、温度計で測定される客観的数値指標です。湿度空気中の水分量を示す指標で、乾湿計による測定が可能です。気流は風などによる空気の動きのことで、風速計によって測定ができます。輻射熱はコンクリートの道路や、室内の床などから放出される赤外線による熱エネルギーによる影響です。あらゆる方向から赤外線が放射されるので算出は難しいですが、周囲を取り囲むあらゆるものの表面温度から平均輻射温度(MRT)として算出可能です。
人間の体感温度に影響を与える要素として、活動量と着衣量があります。活動量が高いと、体が運動により発熱し暑さを感じます。この活動量は、MET値という指標で表されます。一方、着衣量が多いと、衣服が体温を保持し、寒さを防ぐことができます。この着衣量は、clo値という指標で評価されます。
環境側、人側の6つの要因は人が体感する温度や快適度・不快度に大きく影響します。快適空間にするためには6つの要素をすべて考慮して理想を追求することが大切です。
快適さを示す指標として広く用いられているのがPMVとPPDです。PMVとPPDは1967年にデンマーク工科大学のファンガー教授によって提唱された指標で、両方を組み合わせることで環境の快適さを高い確度で評価できると考えられています。
PMVとは主に室内の快適さを評価する数値として、温熱環境の6要素を考慮して生み出された指標です。-3~+3の7段階の指標で、0を快適として+の方向に大きくなると暑い、-の方向に向かうと寒いと定義されています。PMVは国際標準指標として使用されています。
PPDとはある温熱環境において、何%の人が不快に感じるかを示す指標です。その環境で100人のうち8人が不快に感じる場合にはPPDは8%です。ISOでは温熱環境を整える際に、PPDが10%以下となる温熱環境を推奨しています。
PMVとPPDを利用すると、ほとんどの人が快適に感じる温熱環境を整えられます。PMVが-0.5~+0.5、PPDが10%以下というのが基準です。この基準に則って室内環境を整えると、快適な住まいにすることができます。
快適な温熱環境を整えるにはPMVがまず重要です。PPDは個人の感性によって影響される不快になるリスクの確率ですが、PMVは6つの要素によってあらゆる人にダイレクトに快適・不快の感覚を与えます。室内の快適な温熱環境を整えるには、PMVの変動要因を減らすことが重要です。活動度や着衣量に合わせて、環境側を適切に整えれば快適になります。環境側では温度・湿度だけでなく、風と輻射の影響を考慮して冷暖房の方法を検討しましょう。風が吹いていると気化熱によって涼しいと感じますが、脱水症状や低体温症などのリスクがあります。輻射熱はこのようなリスク要因がなく、温熱環境を整えるのに適している要素です。温度と湿度を輻射熱によって制御すると、快適な住まいにすることができます。
快適な温熱環境を実現するための住宅設計では、PMVとPPDが重要な基準となります。特に、PMVの6つの要素の中でも、温度、湿度、気流、輻射熱は、快適な環境作りに欠かせません。従来の空調システムは風を送り出す方式が主流で、気流の影響が大きく、輻射熱の利用が見落とされがちです。一年を通して快適な環境を維持するためには、風を発生させない冷暖房システムの導入が必要となります。そのため、エアコンやファンヒーターではなく、輻射熱を利用した冷暖房システムを選択することを推奨します。
シアーはPMVを向上させられる輻射式冷暖房です。エアコンとは違って風を使用することなく輻射熱だけで冷暖房をして、年間を通じて住まいを快適な温熱環境にできます。風がないことで気流による冬の寒さを感じることもなく、夏の脱水症状などのリスクもなくなります。安心で健康的な環境を作り上げられる冷暖房です。
シアーは室温をいつも快適に保つ無風型エアコンです。エアコンの風によってハウスダストが巻き上げられることもなく、風の音もないので静かな環境になります。温熱環境を整えられるだけでなく、落ち着いて生活できる快適な住まいにすることができるのがシアーの魅力です。
温熱環境を整えるために、シアーがなぜ良いのかどうかは実際に体験してみるとよくわかります。シアーは体感ストゥディオで、実際にどのような環境にできるのかを体感できます。全国各地にシアーを体感できるストゥディオが用意されているので、予約してシアーの魅力を体で感じてみましょう。